放送で気になる言葉

放送で気になる言葉

×眉をしかめる
◯顔をしかめる

「しかめる」は、顔や額のしわを寄せて、不満、不機嫌を表す表情を作ることです。
眉は「しかめる」ものではありません。
嫌悪感などの感情を表す「眉をひそめる」と混同した誤りだと思われます。

×取り付く暇がない
◯取り付く島がない

「取り付く島がない」は、船で海へ出たが立ち寄る島もなくどうしたらいいのか分からなくなることから転じて、「途方に暮れる」を意味します。
「取り付く暇がない」は単純に「島」と「暇」の誤りだと思われます。

×舌の先の乾かぬうちに
◯舌の根の乾かぬうちに

前に言ったことを忘れもしないうちに違うことを言うのは、「舌の根の乾かぬうちに」です。
「舌の先」ではありません。

×青田刈り
◯青田買い

「青田買い」は、その年の稲の収穫量を見越して先買いすることを意味します。
転じて、企業が新入社員の採用で学校を卒業する前の早い段階から内定を出し、社員契約を結ぶことを指します。
「青田刈り」と言えば、戦国時代に相手の城の周りの稲を青いうちに刈り取ってしまい、収穫が少なくなるようにする作戦のことですので、「青田買い」の意味で使うと意味が異なり誤りです。

×熱にうなされる
◯熱に浮かされる

「熱に浮かされる」という言葉は「病気で高熱のためにうわごとを言う」という意味を持ちます。
言葉の音としては近いですが、「熱にうなされる」という言い方は誤りです。
「うなされる」は「悪夢などを見て思わず苦しそうな声を出す」という意味ですので、これを使うのであれば「熱が出てうなされる」または「熱でうなされる」というような言い方が適切です。

×寸暇を惜しまず
◯寸暇を惜しんで

「寸暇(すんか)」つまりちょっとした時間を惜しんで何かに打ち込む、という意味ですので、「寸暇を惜しんで」が正しい使い方です。
「寸暇を惜しまず」は、「苦労を嫌がらずに一生懸命にやる」という意味の「骨身(ほねみ)を惜しまず」と混同していると思われる誤りです。

×ハッカー
◯クラッカー

企業や国のパソコンに侵入して悪事を行う人を「ハッカー」と呼ぶことがありますが、これは誤りです。
本来「ハッカー」は、コンピュータや電気回路などに常人より詳しい技術的知識を持つ人を指し、「その技術を使って悪さをする」という意味はありません。
こうした悪事を行う人は「クラッカー」と呼ぶのが適切です。

×二の舞を踏む
◯二の舞を演じる

「二の舞」は、舞楽(ぶがく)で、「案摩(あま)」という踊りを他の人が踊ったのを見た後にそれを真似して、しっかりと踊れず失敗した様子を面白おかしく踊るものです。
踊りは「踏む」のではなく「演じる」物なので「二の舞を演じる」が正解です。
「二の舞を踏む」は、尻込みすることを意味する「二の足を踏む」と混同していると思われる誤りです。

×濡れ手で泡
◯濡れ手で粟

「粟」はイネ科の穀物。
濡れた手で粟をつかもうとすると、たくさんの粟の粒がついてくることから、苦労せずに利益を得ることを意味します。
「泡」は「粟」の書き間違いです。

×汚名挽回 
◯汚名返上

「挽回」とは「もとの状態に戻すこと」。
そのため、「挽回」を使うのであれば「名誉挽回」が正解です。
不名誉な評判を取り払う、と言いたいのであれば、「汚名返上」や、「汚名を雪ぐ(すすぐ)」という言い方をします。

×そうは問屋が許さない
〇そうは問屋が卸さない

「そうは問屋が卸さない」が本来で、この言葉は客に値切られた時の店側のセリフ。
「そんな値段では問屋が売ってくれない」(だからそんなにまけられない)というわけ

×飛ぶ鳥あとを濁さず
〇立つ鳥あとを濁さず

伝統的な慣用句は「立つ鳥あとを濁さず」。慣用句は決まり文句だから勝手に言葉をかえると混乱する。

気のおけない人

「遠慮・きがねのいらない人」が本来の意味、それが全く逆の「気が許せない」油断できないの意味に使われている。
娘 「うちの課長、気がおけない人なの」
父 「それは良かったね「」
娘 「?」
放送では本来の意味で使う事。

住めば都

言うまでもなく「住み慣れれれば、どんな土地でも住み心地が良くなる」という意味だが
「住むなら都会が良い」という若者が多いそうだ。

×おいしく頂けます
〇おいしく召し上がれます

「頂く」は「食べる」の謙譲語。視聴者に向かって視聴者が「食べる」場合を想定して言うのなら尊敬語の「召し上がる」を使うのが正しい。ただし局の人が自分が食べる行為を言うのなら「頂く」でよい。

おもしろい

 おもしろい話、おもしろい映画など滑稽さや、おかしいことを表すこの言葉は、次のような話から生まれた。
 昔、同じ部族の人たちが、火を囲んで座り、物語に打ち興じたり、手仕事をしたりして過ごしていました。その中の一人が人の注意を引くような話をすると、皆が一斉に顔を上げます。するとその顔(面)が燃える火に照らされ、真っ白に浮かび上がりました。この真っ白い顔が並んでいる、和やかな状態を「おもしろい」という形容詞で呼ぶようになった。
 

×元旦の朝・元旦の夜
〇元日の朝・元日の夜

「元旦の夜は歌謡曲でお楽しみください」
つい使ってしまう表現だ。「旦」は朝の意味。従って「元旦の夜」は矛盾、元旦の朝は重複。

×的を得る
〇的を射る

「要点をつかむ」「急所をつく」の意味で「的を得た発言」「的を得た批評」などという。しかし慣用句としては「的を射た」が正しい。「的を得た」は当を得た」との混同が原因かも痴れない。

×食べれるのも…のおかげです
〇食べられるのも…のおかげです

「ら抜き言葉です」
(上一段)着れる、見れる、生きれる、起きれる、降りれる
(下一段)出れる、受けれる、食べれる、集めれる、調べれる

▲とんでもありません。とんでもございません
〇とんでもないことです、とんでもないことでございます

 現在では、「とんでもありません、とんでもございません」が挨拶語として定着しているので、一概に誤用として退けるわけにはいけません。
しかし一方で「とんでもない」の「ない」は「せわしない」などの「ない」と同じで、形容詞をつくる語尾であって、否定の助動詞の「ない」とは異なるものであるから、「とんでもありません」とんでもございません」と言い換えるのは間違いであるという意見も依然として強いので、乱用、安易な使用は避けたいものです。

▲子供にお小遣いを毎月千円あげている
〇子供にお小遣いを毎月千円与えている
▲犬に餌をあげる
〇犬に餌をやる
▲植木に水をあげる
〇植木に水をやる

 「あげる」は本来は謙譲の表現ですから動物とか自分の子供などに対して「あげる」を使うのはおかしい。「…をやる」「…を与える」など、それぞれの場面に適した表現を工夫。しかし今では「あげる」は謙譲語の意識はなくなり、丁寧語として使われているのが実情だ。ある調査では「花に水をあげる」を言葉の乱れ」と思う人は15.7%。この言い方をしても構わないと思うが52.2%、正しい言い方だと思うが14.6%となっている。

しおどき(潮時)

×手遅れ、もう手の打ちようがない退け時ではなく 
○最も適した時間、時を指す

びみょう(微妙)

×悪くもないが良くもないと思われがちが
○何とも言えない味わいや美しさがあり趣深いこと

なし崩しに

×適当に物事を済ませていく
○少しづつ順番に物事を済ませていく

情けは人のためならず

×情けをかけてしまったらその人のためにならない
○情けは結局自分のためになる

琴線に触れる

×怒りを買う
○感動する。感銘を受ける

煮詰まる

×行き詰まる
○結論がだせそう

役不足

×能力がない
○役者に対して、役の方が不足している
例え…幼稚園のお遊戯会にプロの俳優が本気で参加するなど

失笑

×子馬鹿にして笑う
○笑いを堪え切れなかった

鳴かず飛ばず

×何の活躍もしないでいること
○将来の活躍に備えて行いを控え,機会を待っていること。