美しい日本語を話そう。

日本人のための日本語
「ことばのアトリエ塾」

 人と人との関係を支えるものがコミュニケーションです。コミュニケーションとは個人と個人との間で考えを伝えます。そして通常私たち日本人は日本語で、しかも話し言葉で相手に自分の意志を伝えようとしますが時には確実に伝わったかどうか不安になることもあります。そのことは相手に理解された場合と誤解された時とが存在します。従って私たちは日常「話す」という行為にもっと注意を払わなければなりません。
 一人の人間が言葉を習得していく過程は幼児期における母親からの影響が一番大きいと言われます。さらに小学校時代に決定的なものを身につけてしまいます。それ故に母親と小学校の教師による日本語教育こそ最も大切なわけでその人間一生の言葉の生活を決めてしまうとさえいえます。
 音声には呼吸と発声と調音の3つの条件が必要です。調音とは聞きなれない人もいるかも知れませんが声門(声帯から上の音声器官)が呼気に対して必要な位置をとったり運動をしたりすることをいいます。発声は呼気によって声帯を振動させて音を発することをいい、発音、つまり言葉を形づくる音を出すこととは概念に多少の相違があります。
 これまでも日本の国語の教育は発声・発音が大切だと思われながら実際にはきちんとおこなわれていませんでした。日本語の発声・発音の訓練は全ての基本になるものです。相手にこちらの意志が伝わらないからといって声を大きくしたり、高い声を出すことではなく、一語一語明確に発声・発音することが重要で、そう思うだけでなく実際に各自が声として出してみることが必要です。幼児や児童を始め人々にきちんと発音指導するためにはその指導者である親や教師や私たちが明確で美しい日本語の発声の範となるべきと考えます。
 日本人のための日本語「ことばのアトリエ塾」は日本語の指導者としての訓練を行います。

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お腹から声を出そう

* 大きな声を出そう

 大きな声を出すことが、言葉の勉強の第1歩です。よく「マイクがあるのだから、小さな声でも構わないでしょう」という人がいますが、それは違います。マイクは魔法の機械ではありません。小さな声には張りがなく、ぼそぼそと不明瞭な話し方になってしまいます。マイクを通せば声は大きく聞こえますが、張りのないぼそぼそとした感じはそのままです。マイクは欠点が強調されますからむしろ厳しい声になります。

*呼吸

 音楽の授業を思い出してください。「喉を使わずに、お腹から声を出しましょう」と言われたことがあるでしょう。大きな声を出そうと思って喉に力を入れると、すぐに喉が痛くなってしまします。張りのある大きな声を出すためには喉を使わずに、お腹に力を入れて発声します。
 
 まず、腹式呼吸を身につけましょう。腹筋を使う呼吸法です。呼吸は日頃、無意識にしているものですから、自分は体のどこを使って呼吸しているのか、確かめてみましょう。 寝ているときは、誰でもちゃんと腹式呼吸をしています。赤ちゃんの産声も腹式呼吸。人が仰向けで眠っているところを観察してみるとお腹がフーッと膨らんだり、スーッとへこんだりしています。それが腹式呼吸です。腹式呼吸の練習をしましょう。仰向けに寝て、お腹に軽く手を当て、息は鼻から吸って口から吐きます。初めはゆっくり、お腹をふくらませながら息を吸います。慣れてきたら、一気に鼻から吸い込みます。今度は立ってやってみましょう。鏡の前で、足を肩幅に合わせ開いて立ちます。肩の力を抜いてリラックスし、息を吸うときに,肩が上がったり胸が膨らんだりしていないか、鏡でチェックします。 
 
 呼吸法をマスターしたら、実際に声を出す練習です。言葉に向いている呼吸法は「腹式呼吸」と呼ばれる呼吸法です。普通の人が普段の生活でしている呼吸法は「胸式呼吸」と呼ばれる呼吸法です。「胸式呼吸」ですと、息の吸い方が浅く、横隔膜の動きをあまり伴わないので、呼吸が不安定になりやすく、声がコントロールしにくいのです。ですので、現在「胸式呼吸」発声の方は、呼吸法を変えることでもっと声が出やすくなります。従ってボイストレーニングの第1歩は「腹式呼吸」をベースに身体を開発していくことで、声が出やすくなります。どちらの呼吸も、息はに入ります。腹式だからと言って、お腹に息は入りません。
 ここで一度体を横に寝かせてみましょう。仰向けになり、片手をおへその下にあて、何度か呼吸します。息を吸うと自然にお腹が膨らんできます。 横になると誰でも腹式呼吸になるのです。お腹に息が入っている訳ではないのに何故お腹が膨らむのでしょうか? 一体お腹の中では何が行われているのでしょうか?

 実は胸式呼吸腹式呼吸違い息の入り方にあります。
胸式呼吸の場合は吸った息が肺の上部に入り、肺の上が膨らみます。それと連動して胸や肩が上がってきます。ラジオ体操時の深呼吸はとてもわかりやすい胸式呼吸です! 思い切り、胸式呼吸をすると、喉の筋肉がカタ~クなります。肩が上がって、喉が筋張っていたら、その人は上半身を緊張させて声を出しています。喉が痛くなったり、枯れたりします。浅い胸式呼吸だと、変なところに力が入ってしまうというデメリットもあります。

練習時のポイントは、呼吸する際に「どう体が反応してくるか」で横隔膜の動きの確認をします。そしてより深い呼吸を身につけていきましょう。その時に胸や肩が上がらなくなり、お腹や背中の内側にある風船が膨らむような感覚を感じられていたら、とてもいい感じです!! この腹式呼吸で出す声のことを「腹声」といいます。

自由が丘FMTVアナウンサー講座「ことばのアトリエ塾」で「理想の声」を手に入れ、自分の力を生かしながら健康で明るく楽しい毎日を過しましょう一方、腹式呼吸は肺の下部に息を入れていきます。
肺の下には横隔膜があり、その下には胃や肝臓など内臓があります。横隔膜は通常どんぶりをひっくり返したような形になっており、その下にある内臓を覆っている感じで存在しています。肺の下に空気を入れると、肺が膨らんで下に下がり、どんぶりをひっくり返したような形だった横隔膜が段々平らになります。
そうすると、内臓も下に押し下げられます。胴体の下には
骨盤が存在する為、ある一定の位置まで内臓がおりてくるともう下にはいけなくなりますので、おさまりどころを探して内臓が前の方に動いたり、横、後ろ側も動いてお腹や背中が膨らみます。息ではなく内臓の動きがお腹周辺を膨らませるのです。
 そして、胸式呼吸と腹式呼吸最大の違いは横隔膜の動きを伴うということです。この横隔膜の存在は非常に重要で、声の安定の要になる要素で、ここがきちんと
使えていれば、非常に声は出やすくなってきます。

*共鳴

前口発声

「発声のときは大きく口を開けましょう」とはよく言われることです。大きく口を開けたほうが良い声が出ると思っている方が多いのではと思います。しかしいきなり「本当は口を開けない方が良い声がでますよ」と言うと「今まで何をやっていたのか・・・」と悩んでしまう人もいます。 口を大きく開けることが悪いということではありません。もちろん最初のうちは、口を開ける訓練をすることも良いのです。なぜなら、最終的には「口の中が開いている」ことが大事なので、そもそも口があまり開き難い状態であると、良い声にたどり着くことはありません。 だから、口を開ける訓練をしておくことは、肉体的な準備が出来るという意味でも良いことでもあります。
 それでは、どのような口の開け方で発声したら良いのでしょうか?
 じつは、口を開けない方がよく響くのには理由があります。あまり口の前を開けすぎると、せっかく良い声を出していても、音の響きが拡散してしまうのです。

ある程度口の前は閉じて、口の中を開けている方が、響きが集まってよく響きます。

 例えば、クラシックの歌手は、大きなホールでもたいていマイクなしで歌いますが、野外劇場の場合はマイクを使うことがあります。それは音が散ってしまうからです。 よく響くホールは天井が高いですね。口の中も同じと考えてください。いかに口の中を開けるかというほうが大切です。良い声の人は、口の中で音を共鳴させて音を響かせることをしています。
 ただ、「口の中を開ける」と言われれても、やみくもに開けていても意味がありません。 口の開け方を説明するとき、ボイストレーニングでよくあるのが「軟口蓋を上げて」(軟口蓋の場所が良く分からないし上げ方も分からない)とか、「ハッ?!と驚くような顔をして」とか、「喉を開けて」(どうやって開くの?)、「目を吊り上げて口を開けて」などがあります。私自身、この指導を受けたとき、これだけでは、意味が分かりにくいと思います。

それでは、どうやって口を開けて発声したら良いのでしょうか?

口の開け方と響きは密接に関連します

口の開け方次第では響く声も響かなくなりますので、細心の注意が必要です。 ただ、一度響きを見つけてしまえば、声は楽に鳴るようになっていきますので、ぜひ、口の開け方と響きをトレーニングしてみてください。

本日は、口の開け方と同時に、音を響かせるためのトレーニング方法をご紹介しましょう。

まず、鼻濁音を発音するときを試してみてください。 例えば、「ながい」というときの「が」これを鼻濁音にすると「なngがい」となります。 「ng」となるとき、舌の位置に注意してみてください。 舌の奥が喉の上奥のほうにタッチしますね。 触るとちょっと「おえっ」となってしまう場所です。 この場所と舌の位置を覚えておいてください。

それでは、次の手順で、試しに発声してみましょう。

1、あごを下げて、口を開ける。(☆ヒント:口の開け方はほどほどに)
2、大きくゆっくり息をすう
3、「ng」の位置に舌をおく
4、ng~と発声する。このとき、鼻の周辺でビーンとよく響くくらい息を流してくださ   い。
☆ヒント:「ビーン」を感じ難い人は小鼻の横を両手の人差し指で軽く押してくださ    い(他人にはつまったような「ん~~~」と聞こえます)
5、舌を少しずつ下げていき「ん~があ~~~」と発声します。このとき、舌の動きに合   わせて顎まで下げないように。「ビーン」の感触が少しでも残るように、音をよく聞   きながらちょっとずつ舌を下げてください。
☆ヒント:響きの素を作っていますので、あまり大きな声を出さないようにしてくだ   さい。一気に舌を下げてしまうと、どこで響いたか分からなくなってしまいますの   で、少しずつ様子をみながら下げてください。
  手順1に戻り、10回繰り返してください。

●息の流れを確かめる練習

  1. 口を開けたまま、口からだけで息を吸ったり、吐いたりする。
  2. 口を閉じて、鼻からだけで息を吸ったり、吐いたりする。
  3. 口を開けた状態にして、まず口からだけの呼吸をする。
  4. 口を開けたままで、鼻の呼吸に切り替える。→このとき、口の奥のほうで何か動く感じを実際に確かめる。
  5. 口を開けた状態のまま、口と鼻の両方から息を吸ったり吐いたりする。

声の流れと共鳴の練習

  1. 口を開けた状態のまま無声子音HA(ハアー)を出しながら口呼吸をする。
  2. 「ハアー」の音を「ハ」と「ア」に分解し、最初の部分は無声子音H(ハ)で出し、途中から「アー」と有声母音にする。
  3. 鼻をつまむ・・音色が変われば、鼻にも息が流れている良い証拠。
  4. 手のひらで口を覆う・・口からだけの声だった場合、息も声も止まるのでこの状態は駄目(*声の高さは低めの方が良く分かる。)
  5. 口を開けて、鼻からだけの呼吸をしながら、「ンアー(N・A―)」と出してみる。
    手のひらで口を押さえて、鼻からだけの呼吸であれば、押さえても離しても音色は変わらない。声を出しながら、そっと口を少しずつ開けていく。口はやや縦長に開くと良い。

●「鼻と口の両方に共鳴させる。」
鼻をつまめば口の方が、口を押さえれば鼻の方の声が残り、いずれの場合も音色と音量が変わる。*この声が最も効率の良い共鳴。練習には「マア(MA)」の音が良い。
最初は鼻だけの声から練習し、その声が口にもかかっていくように工夫する。

共鳴感覚のつかみ方

  1. 適当な出しやすい高さの声を出しながら、顔を上に向けてみる。
    →口からだけの声になる。
  2. 少しずつ顔を下に向けていく。
    →次第に鼻の声に変わっていく。
  3. このように首から上を前後にまわしながら鼻と口の両方にかかった声をさがし、その感覚を聴覚的にも、内部の振動感覚としても覚え込む。
  4. 首を動かさないで息の流れを変えることによってできる工夫をとる。      
  5. (ひびきの感覚をつかむ)
  6. ・低い音からだんだんに上にあがって出していく声より、最初から高い音を出して、そのひびきを変えないように気をつけながら低い音に下がっていく出し方の方がつかみやすい。
  7. ・できるだけ鼻声にした方が早くつかめる。最初からできるだけ鼻声にしてから次第にその比率を少なくして口腔共鳴もまぜていく。

*姿勢と呼吸が正しくできると、共鳴のことは特別考えたり練習しなくても、声を出すと発声器官も共鳴器官も正しく自然に運動するはず。

実は、いい声を出すためには、発声や発音といった「声の出し方」以上に大切なことがあるのです。
それは、「姿勢」と「呼吸」です。

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*姿勢

 どんな声が「いい声」だと思いますか? ひとつの目安として、その人の気持ちよさが相手にも伝わる、よく響く声です。
ではいったいどうすれば出せるのでしょうか。 声をよくするのに、姿勢と呼吸が大きく関係しています。
まずは、大事な「姿勢」からです。
 背筋がピンと伸びたいい姿勢の人というのは、声を聞く前から、しっかりしていて信頼できそうな人だろうな、という好印象を与えます。話をする前から、すがすがしい気持ちにさせてくれます。つまり、ただ立っているだけでも、信頼性が増すメリットがあります。しかも、声をよく響かせるうえでも、いい姿勢を保つことが絶対条件です。
「姿勢をよくしなさい!」というのは、きっと子どものころから親御さんや学校の先生に言われてきました。
でも、特に難しいのは、いい姿勢を「保つ」ことです。
一瞬であれば、いくらでもいい姿勢になれます。でも、そのまま長い時間を過ごすと疲れてきます。ふと気を抜いて、背筋が曲がってしまっている……ということがあります。
それは、「姿勢をよくしよう」として、腰をそらせすぎたり力を入れすぎたり、無理な体勢をとっている場合が多いからです。
いい姿勢を保つには、その逆をいってください。
長い時間いい姿勢でいるためには、「姿勢よく!」と思うのをやめるのです。
代わりに、次の3つのポイントをいつも意識してみてください。
・足の親指を平行に並べ、地面にしっかりつける
・目線は高く保つ
・頭の頂点「百会」に糸があって、あやつり糸のように引っ張られている状態を作る。
・体を縦半分に分ける「正中(せいちゅう)線」を意識する
簡単ですよね。無理をして背筋を伸ばそうとするのでなく、この4つをやれば、自然と背中がピンとするのです。
この4つのポイントについても、それぞれコツがあるのでお話ししていきましょう。
足は腰幅に平行に並べて立ちます。肩幅でなく、腰幅です。
両足の親指は不自然なほど力を入れる必要はないのですが、地面からの力を受けられるように、しっかり地面に着けてください。柔道をはじめ格闘技では、親指が浮いた瞬間にストーンと崩されることがあります。それと同じように、いい姿勢を保つためにも、足の親指を地面から離さないことは鉄則です。無理に力を入れる必要はありません。親指がつま先まで地面についていることを意識してください。
親指がしっかり地面に着いたら、いったん軽く膝を曲げて、ゆっくり踏み込みながら立ちます。ゆっくり、ゆっくりです。「スカイツリー」のように、まっすぐ伸びていく。
このとき、ただ膝を伸ばそうとするのではなく、地面を押すことで自然と体全体が上がってくるよう意識してください。そうすると、膝を伸ばしたときに、お腹がきゅっとなって、下半身が安定し上半身が前傾しづらくなります。
ここまでできたら、多くの人はかなりいい姿勢になっています。
ただ、ちょっとだけ頭が前側に倒れたまま残りやすいことがあります。
だから、自分の頭の真上にフックがあると思って、そのフックに軽ーく頭が吊られている感じで持ち上げてあげてください。これを「スカイフック」といったりもします。天からのフックで頭が吊られている。自分で持ち上げると思うと力みますが、天のフックに持ち上げられて自然と頭が持ち上げられる感じです。
そうしたら水平線を見るような気持ちで遠くを見やる。あごを上げる、あるいは目線を上げると思う必要はありません。軽く頭を高くしてあげる。
最後に、いったん遠くを見てください。そして近くに視線を戻すと、自然にいい姿勢になります。
注意点として、この姿勢をとるときガニ股になると、肋骨と骨盤が開き気味になります。すると男性も女性も所作がきれいに見えませんから、ガニ股は厳禁です。
逆に、自分で骨盤を締めようなどと思うと、変なところに力が入ります。
ですから、両足の親指と親指を平行に並べて地面につけ、頭を少し上げてあげると、それだけできれいな姿勢になります。
そして最後に、先ほどお伝えした体の縦半分を通る「正中線」を意識してみましょう。空から地面まで体の真ん中をズドーンと串刺しにされる感じです。
自分のエネルギーが空高くから、地面の深くまでドーンと通じているようなイメージをもってみてください。座っているときも同じで、正中線を意識します。
よく柔道などの稽古で「正中を正しなさい」といわれます。正中が曲がっていると、不自然に見えたり清潔感がなくなったり、相手ときちんと向き合っていない、というメッセージを送ってしまうことになりかねないからです。このことは、普段の生活でもいえることだと思います。
いい姿勢を保つコツは、「正しい姿勢」をとろうとしないこと。
正しくと思いすぎると力んだ姿勢になり、見栄えもあまりよくありません。力めば、もちろん声にもよくありません。
「正しい姿勢」や「いい姿勢」ではなく、「自分が気持ちのいい姿勢」をとるぞ!と思ってください。それが自分にも相手にも気持ちのいい、美しい姿勢へとつながります。

アクセント

共通語アクセント

アクセント(a c c e n t)・・・言葉の調子。語調ともいう。これは、一つの言葉の中で特に高く発音するところ。

●日本語アクセントの原則
1)高低アクセント(英語のような強弱アクセントではない
2)第1音節と第2音節の音の高さは必ず異なる。
3)1単語のアクセントは1か所、2か所にまたがらない
4)アクセントの型は4つ。
   頭型型、中高型、尾高型、平板型

 日本語のアクセントは「高低アクセント」、英語・ドイツ語などには「強弱アクセント」の習慣があることはよく知られています。それぞれの地方・地域の言葉(方言)は、細かなニュアンスを伝えることの出来る温もりいっぱいの「しゃべり言葉」で、まさに文化です。方言と標準語とを対比させて、方言が不正のもの、卑しいもの、不等なもので、標準語は正しく、上品なものだというふうに考えられがちですが、方言も標準語も同じ価値をもつ言語であり、どちらが上品ということはありません。しかし、標準語(共通語)が東京語を主体にした言語圏の言葉であるだけに、アナウンサー・ディスクジョッキー・俳優・日本語教師といった「発音言語」の職業を志す場合、そういった人には、「もう一つの言語」つまり標準語の発音、とりわけそのアクセントを正しく身に付けなければならないのです。

単語の標準アクセントの基本的なルールは?

①アクセントの型は四種   平板型 尾高型 頭高型 中高型
②平板とは、必ず第一音節だけが低い。
③頭高とは第一音節だけが高い。
④アクセントが一つの語の中で、はなれた二ヶ所以上の音節に別々に出ることはない。


 第一音節から第二音節にかけては、必ず高低の変化がある。アクセントを正しく身につけるための最大のポイントは、アクセントの下がりめの位置を正確に音声で表現できるかどうかです。(核とか折れ目という)

アクセントの型

アクセントには、四種類の型があります。
日本語では音の高低をつけ、そのポイントを変えることによって、これを区別します。 
 例えば「雨」という言葉は、『ア』を高く、『メ』を低く発音します。こうしたアクセントの型を「頭高」アクセントと言います。頭高アクセントは、単語の第一音節だけを高く発音するものです。 「尾高」アクセントは、「男」「女」という単語で説明します。オトコ、オンナをそのまま読むと、『オ』よりも後ろの二文字が高くなるはずです。そして、直後に「に・を・は・が・・・」などの助詞をつけると、その助詞に向かって音程が下がります。尾高のアクセントはこうした性質を持つのです。 それから、「平板」アクセントのものもあります。これは、後に続く言葉に関わりなく、平たく発音するものです。例えば、「飴・いちご・時間・日本語・風・・・」などの単語がそうです。しかし、平たくといっても必ず第一音節だけは低く読みます。 最後に「中高」アクセントです。これは単語の真ん中辺りを高めるものです。「カタカナ・座布団」などがそうです。

*第一音節と第二音節にかけては必ず高低の変化が見られます。

名詞

 名詞には、あらゆる型の種類がみられます。
次の表に示すように、二拍語には「平板型」 「尾高型」 「頭高型」の三種類、三拍語には「平板型」 「尾高型」 「中高型」 「頭高型」の四種類というふうに、名詞のアクセントの型の種類は、拍数より一つだけ多くなります。
 
 まず、基本的なアクセントの型をしっかりと身につけることが大切です。これれのアクセントの型は、種類によって似た性質を持っています。それは、助詞や助動詞が付いた場合も同様です。ハナ(鼻)とハナ(花)のように、名詞単独ではアクセントの変わらない平板型と尾高型も、次に助詞や助動詞がつくと、ハナガ(鼻)、ハガ(花)と異なったアクセントの型になります。

 名詞の型の数は、おわかりのように拍数より一つだけ多いのですが、それらに所属する語彙にはかたよりがあります。例えば、一拍語、二拍語では頭高型が多く、漢語、外来語や、新造語、日常あまり用いられない言葉などは、殆どこの型です。三拍語には平板型が多く、漢語・外来語はこのほか頭高型も多くあります。

外来語のアクセント

 二拍のもの(二つの音で構成する単語)は日本語のように使われ平板になったもの・・・例えば、印刷の「ゲラ」など・・・を除いて、まず頭高と覚えておきましょう。また、外来語や外国地名などのうちおよそ七割は「後ろ三拍型」のアクセントです。 「後ろ三拍型」とは、単語の末尾から数えて三拍目にアクセントが来る・・・というものです。例えば、ウールの「ウ」、カメラの「カ」、ユートピアの「ト」などがそうです。長い単語のアクセントについては、「後ろ三拍」というポイントを身につけましょう。
では、何故「後ろ三拍」が多いのでしょうか。外来語は、単語の末尾から数えて二拍目に、長音・撥音・拗音などの「特殊音」が来ることが多く、その結果アクセント位置がズレて、「後ろ三拍型」となるわけです。

動詞のアクセント

三拍動詞(三つの音からなる動詞の単語)の大半は、「ウゴク」 「オチル」などの中高アクセントです。これに対して、「カエス」 「カエル」 「マイル」 「ハイル」などは、「エ」「イ」の音の影響で一拍前に移動します。また、「トオル」 「トオス」などは、『トール』 『トース』という具合に音に直せばわかりますが、アクセントが来るべきところに長音があるので、自然に前にポイントがズレたと考えてよいでしょう。

また、動詞から派生した名詞で、本来は尾高になるはずの、「イイ」 「ニイ」 「オイ」 「ネイ」などは、みんな中高になっています。これも、「イ」の音の前にアクセントが移動したものです。さらに、音が密着して二重母音のようになる〈ai〉(例「書いた」)、〈oi〉(例「解いた」)あるいは末尾が母音で、前の母音と一緒になって二重母音のようになる「濃い」という単語も同じで、「恋・鯉・故意」と区別の付かない、頭高のアクセントになります。
 また、動詞のアクセントには「活用」があり、これはなかなか難解です。例えば「る」という単語でも、『ル・テ・ミス・ナイ・・・』と変わります。「行う」では、『オコナウ・オコナッテ・オコナイマス・オコナワナイ・・・』となります。

複雑な動詞の活用

まず二拍の動詞です。

(例) 「る」 →「出す」
る」は頭高ですが「出す」というふうに活用すれば中高になります。
では、二拍の動詞で次の単語を活用すると、どのようになるでしょうか?
「見る」・・・ル・ナイ・テ・ミス・レバ・
「降る」・・・ル・フナイ・ッテ・フリマス・レバ・

(例) 「乗る」 →「乗ります」   (平板)   (中高)
「居る」・・・イル・イナイ・イテ・イス・イバ・
「泣く」・・・ナク・ナカナイ・ナイテ・ナキマス・ナバ・

次に三拍の動詞です。これには三種類のアクセントがあります。
(例) 「る」 →「帰ります」   (頭高)   (中高)
る」・・・ール・トーラナイ・ーッテ・トーリマス・ーレバ・ーレ
(例) 「洗う」 →「洗います」   (平板)   (中高)
「負ける」・・・マケル・マケナイ・マケテ・マケマス・マレバ・マ
(例) 「晴る」 →「れて」 (中高)    (頭高)
「食べる」・・・タル・タナイ・ベテ・タベマス・タレバ・タ

形容詞のアクセント

「二拍の形容詞」は頭高アクセントです。
い・い・い・い」 
三拍以上の形容詞は、平板・中高の二種類ですが、そのほとんどが「後ろ二拍」の中高アクセントになります。
「○●い」 「○●●い」
また、ごくわずかに平板アクセントのものがあります。

 「三拍平板型の形容詞」
赤い・浅い・厚い・甘い・荒い・粗い・薄い・遅い・重い・固い硬い・堅い・軽い・きつい・暗い・煙い・辛い・遠い・眠い・丸い・・・

「四拍以上の平板型の形容詞」

明るい・危ない・いけない・おいしい・重たい・悲しい・黄色い・煙たい・冷たい  ・眠たい・平たい・易しい・優しい・宜しい・くだらない・たまらない・・・

副詞のアクセント

二拍の副詞は、概して頭高です。
が・だ・や・し・ず・く・ひ」など。
例外を言えば 「こう(言う)・そう(する)・じき(に)・ふと(気がつく)・
また(来る)・・・などが平板になる程度です。

三拍のものも、「母音無声化」などの影響を受けないかぎり、ほとんど頭高(後ろ三拍型)となります。
(例外)
平板型・・・「あまり・いずれ・およそ・仮に・きっと・ずっと・とても・まるで・むろん・やっと・・・」

中高型・・・「実に・時に・いかに・いやに」母音無声化によって中高になるもの・・・「すこし・ちかく」

四拍以上のものについても少し触れておきましょう。
平板型・・・「あいにく・いきなり・いろいろ・かならず・けっして・

さいわい・さきほど・たちまち・たびたび・だんだん・ときどき・・・」そのほかについては、後ろ三拍を基本に考えてみましょう。

では、ここで練習です。

朝は麻の着物を着る。    厚いコートではもう暑い。

雨の日に飴を買う。     栗を食って泡を食う。

空家に引っ越したが秋には飽きがきた。

医師が石につまずいた。   それ以上は異常だ。

依然として以前のままだ。  遺児は意地になって維持した。

あれ以来、依頼がない。   あの建物は一見、一軒の家に見える。

海のそばで子供を産み、けがをして膿をだした。

手を打ってバナナを売っている。

傘の柄で絵を書いた。    遠藤さんは沿道でエンドウを食べた。

今の演技は縁起がいい。   人気がある園長の任期は延長された。

それは奥に置く。      あなたの思いが重い。 岡さんの家は丘の上にある。 

小野さんは斧を買い、貝の箱を壊す。


母音の無声化・通鼻濁音・連母音/長音

・母音の無声化
・通鼻濁音
・連母音/長音

母音の無声化

●五十音は、母音(a,i,u,e,o)と子音からできています。単音には、無声音と有声音があり、母音は原則として有声音です。有声音とは、声を出して発音するもの。無声音とは、声は出さずに唇や舌や息の音だけのものです。一つの音節 カ (Ka) は、子音 「K」 と母音 「a」の結合した音です。その中で子音 (k,f,s,t,h,p) は無声子音ですが、子音には有声子音(m,y,n)もあります。本来有声音である母音は、(i)と(u)の前後を無声子音 (k,f,s,t,h,p)で挟まれた場合、無声音になります。これを母音の無声化といいます。
●無声音とは、声帯が振動せずに出るわずかな息だけの音です。
有声音とは、声帯が振動して声が作られる音です。
●有声音と無声音のちがいは、喉のあたりに手を軽くあててみると判ります。
有声音⇒「アー」と声を出すと声帯の振動が手に伝わってきます。
無声音⇒ガラスに息を吹きかけるように「ハァー」と息を出すと声帯は震えません。  ⇒静かにしなさい!!の「シー」も無声音です。
●母音の無声化は原則的には、口の開きの狭い母音イ(i)とウ(u)が無声子音にはさま   れたとき、無声子音に続く(i)や (u) が言葉の終わりにある場合におこります。
●菊→ Kiku    無声子音KとKに挟まれた母音(i)は無性化します。

●例 kiku(菊) 、kita(北) 、shika(鹿) 、sukoshi(少し)、 chikara(力) 、hito(人) 、 fukai(深い) 、pikari(ピカリ)、 arimasu(あります) 、kaesu(返す)、kashi(菓子)、 ashi(葦) 、fuku(服)kiso(基礎)sukoshi(少し)、sekkyokuteki(積極的) Kitte(切手) kutsu(靴)  utstukusii(美しい)
※例外的に、口の開きの大きい母音ア(a)とオ(o)の無声化現象もあります。
katai(固い) 、katana(刀) 、koko(此処)、 kokoro(心)
●上の単語の太字部が無声化します。できているかどうかチェックするには耳をふさいで発音してみます。そうすると無声化した音はほとんど聞こえません。 「積極的」ならば「せっきょ てき」と聞こえれば合格です。
●(i)と(u)が言葉の終わりにあり、その前が無声子音の場合も無声化します。      
(例)~です。「desu」~ます。「shimasu
以上が『母音の無声化』の原則です。例外もあります。これは鼻濁音と違って理論    で理解しても実際に話すときにはなかなか実行が難しいです。耳で聞いて覚えるしか  ありません。テレビやラジオのアナウンサーの声を良く聞いて真似をしてみましょう
●母音の無声化例題
「ピカピカ光る服を着た人が、つかれきった視線をおとして薬を 口に含むと、力なく腰掛けて描きかけの菊を捨てています」
カルクヲトガ、カレッタセンヲオトスリヲチニクムト、カラナクコカケテカカケノクヲテテイマ
※のどに軽く手をあてながら読んでみましょう。

通鼻濁音(鼻濁音)

● 鼻濁音は、「ガギグゲゴ」を鼻に抜けるように発音したものです。ふつうの「ガ行」に比べて、鼻にかかったやわらかい感じの音になります。鼻濁音ができているかどうかチェックしてみましょう。「午後」と言ってみてください。「午」と「後」が違う発音になれば合格です。できない人は「マンガ」「文具」と言ってみましょう」。鼻濁音の練習としては、はじめはガの前に「ん」の音をつけてンガ、ンギ、ング、ンゲ、ンゴ、ンギャ、ンギュ、ンギョ、と発音し、次第にその間をつめて最後に一緒にして発音すると良いでしょう。     
濁音           鼻濁音         
銀行 ギンコー    大群 タイグン
群集 グンシュー   日銀 ニチギン
芸術 ゲイジュツ   工芸 コーゲー
豪傑 ゴーケツ    文豪 ブンゴー
群集 グンシュー   反逆 ハンギャ
牛乳 ギューニュー  乳牛 ニューギュー
行列 ギョーレツ   奉行 ブギョー
学校 ガッコー    大学 ダイガク
●語頭のガ行音は、すべてそのまま濁音で発音されます。
●第二拍以後のガ行音は、原則として鼻濁音化されます。
「ガギグゲゴ」が言葉の2文字目以降(語中、語尾)にある場合は、原則として鼻濁音になります。
(例)おんがく(音楽)かがく(科学)しょうがっこう(小学校)すぎ(杉)
そうぐう(遭遇)ごご(午後)かがやく(輝く)くぎる(区切る)かぎる(限る)
くぐる(潜る)しょうぎ(将棋)
●助詞の「ガ」は、鼻濁音化されます。
助詞や接続詞の「が」は、すべて鼻濁音になります。
(例)私がやります。遊びに行きたいが、暇がない。花が咲く。 行ったが留守だっ   た。 君はそれでいい。が、ぼくはちがう。
●複合語の鼻濁音は、どの程度熟しているかによってちがってきます。複合語は切り離 して考えます。複合語の2文字目以降に「が行」があったとしても、それが元の言葉の1 文字目にあたる場合は、鼻濁音になりません。
濁音      鼻濁
高等学校    小学校
音楽学校    中学校
専門学校
国会議員
人形劇
●連濁(二つの語が結びついて一語になる(複合語の際に、後ろの語の語頭の清音が濁 音に変化する。)すべて鼻濁音化されます。
氷⇒天然    こおり→ごおり
貝⇒真珠貝    かい→がい
雲⇒飛行機雲   くも→ぐも
車⇒口車 大八車 くるま→ぐるま
会社⇒株式会社  かいしゃ→がいしゃ
鯉⇒緋鯉       こい→ごい
柿⇒干し柿    かき→がき   
第二拍以後でも、鼻濁音化されないガ行音
●数詞の「5」は、語頭・語中・語尾のどこにあっても鼻濁音化されません。
(例) 5月 15日 55人 5×4=20 25歳 第5位
ただ、つぎにあげるような熟語や人名の場合は、数としての本来の意義が薄れているため、ふつう鼻濁音化されて発音されます。
十五夜 七五三 七五調 為五郎 大五郎
● 軽い接頭語のつぎのガ行音は、たいていの場合、鼻濁音化されません。
(例) お元気 お行儀 朝ごはん お月謝
●擬音語、擬態語などや、漢語の重ね言葉の場合は、鼻濁音化されません。  
(例) ガタガタ ギリギリ グズグズ ゲラゲラ ゴソゴソ 侃々諤々(カンカンガク
ガク) 喧々囂々(ケンケンゴーゴー)
● 外来語は鼻濁音になりません(ふつうの「ガ行」の発音です)。
(例)アレルギー キログラム ワイングラス 窓ガラス

連母音・長音

●ひとつの語や、語のつながりの中で、母音が二つ以上続く場合を“連母音”といいます。 連母音「エー」「オー」と発音し、注意する点は次のとおりです。
●エ・イ(e・i)の連続は、「エイ」ではなく「エー」と長音で発音する。
(例)エーガ(映画)トケー(時計)ミライエーゴー(未来永劫)エーセー(衛星) 
● エとイの間に意味の切れ目があるときは長音にしません。
(例) ため息 ○タメイキ ×タメーキ  負け戦 ○マケイクサ ×マケークサ
● 同じ母音が連続するときは長音になります。
アa+アa お母さん オカーサン  aa
イi+イi  お兄さん オニーサン  ii
ウu+ウu 空港   クーコー    uu
エe+エe お姉さん オネーサン  ee
オo+オo 灯火      トーカ      oo
●意味の区切りをはっきりさせるときは長音にしません。
ア+ア 場合○バアイ×バーイ
イ+イ 黄色○キイロ×キーロ
ウ+ウ 安請け合い○ヤスウケアイ×ヤスーケアイ
エ+エ 影絵○カゲエ×カゲー
オ+オ 里親○サトオヤ×サトーヤ
●長音例題
めいめい慶応 明治 法政で,経営経済学を専攻した経営層。
メーメーケーオーメージホーセーデケーエーケーザイガクヲセンコーシタケーエーソー。
妹の芸名は先生に命名してもらった。
イモートノゲーメーハセンセーニメーメーシテモラッタ。
生産者の申請書を審査した。
セーサンシャノシンセーショヲシンサシタ。

敬語の使い方

敬語の使い方

接頭語「お」と「ご」のつく言葉と使い分け

「お話」や「ご連絡」のように、名詞や形容詞・形容動詞に「お」や「ご」をつけて表現することがあります。以下の例のように、和語(やまとことば)には「お」がをつき、漢語には「ご」がつくのが一般的です。
「お」がつく例
お手紙、お花、お話、お気持ち、お帰り、お届け、お見送り、お知らせ、お母様、
「ご」がつく例
ご住所、ご注文、ご連絡、ご報告、ご説明、ご請求、ご祝儀
*例外として「ごゆっくり」のように和語に「ご」がつく例や、「お食事」「お散歩」
などのように漢語に「お」がつく例もあります。
また、「お返事」「ご返事」「お通知」 「ご通知」 などのように「お」「ご」の両方が使われる言葉もあります。
*「先生がお電話くださった」「先生からのご連絡」などは電話や連絡をくれた相手を高める尊敬語のいみとしての「お」「ご」になります。*「お野菜を使ったお料理」などは、言葉をきれいに表現する美化語としての使い方です。*「コーヒー」「ジュース」「テーブル」のようなカタカナの言葉には、「お」や「ご」は通常使わないとされています。
*「おそぼり」「お辞儀」「ごはん」のように「お」「ご」がつかないと意味が分からず、言葉として成り立たないものや言葉の意味が変わってしまうものもあります。

「は」と「が」の使い分け

 私たちは「昔むかしある所に、おじいさんとおばあさん住んでいました」とは言いませんね。「おじいさんが山へ芝刈りに、おばあさん川へ洗濯に」とも言いません。
自然に「は」と「が」の違いを身つけています。
 これにはいろんな説があります。「は」は題目であり、強調の意味があるという説が有力です。「おじいさんは山へ」というときはおじいさんについて言えば「おじいさん」を強調して言っています。
 この言い方では既知の旧情報には「」を、未知の新情報を受ける場合は「」を使うということです。「むかしむかしある所に、おじいさんとおばあさんが住んでいました。」--初めておじいいさんとおばあさんが出てくるのですから、まだ誰も知りません。だから「が」を使います。次に「おじいさんは山へ」というときにはそのおじいさんはある所に住んでいるおじいさんに決まっているわけで旧情報です。おばあさんについても同じで、ある所に住んでいるおばあさんに決まっています。別のおばあさんだったら大変です。
 では「私は井上です」と「私が井上です」で言えば、全く未知の集団で「どなたが井上さんですか?言われたときに「私が井上です」と答えます。自分が井上であることが知られており「あなたは上田さんですね」と言われたら「私は井上です」となります。
 「象は鼻が長い」も「象は」で「鼻長い」は新情報で「」になります。
「東京は人口が多い」も主語が2つあるわけではありません。「知っている東京について言えば」で「東京は」。人口は未知のことで「人口多い」となります。

クッション言葉

●みなさん「クッション言葉」って聞いたことありますか?
“クッション”という言葉から、なんとなく”柔らかい”というイメージが浮かぶかもしれません。ビジネスシーンではYes、Noをはっきり伝えるのが原則ですが、ストレートには伝えにくい場合もあります。そんなときに役立つのが「恐れ入ります」や「申し訳ないのですが」などのクッション言葉です。

●10分ほどお待ちいただけますか

申し訳ございませんが、10分ほどお待ちいただけますか,

●お名前を伺ってもよろしいでしょうか

失礼ですが、お名前を伺ってもよろしいでしょうか

*クッション言葉以外にも、言いにくいことを伝えるテクニックがあります。

(依頼型)・・代替案を提示
●〜してください

していただけませんか               

●できません

今週は難しいのですが

●○○はいません

大変申し訳ございませんが、○○は只今外出しております

おもなクッション言葉[用例]
(尋ねる)
失礼ですが→失礼ですが、どちら様でしょうか。
よろしければ→よろしければ、私が代ってお話を伺いますが、いかがでしょうか。
(お)差し支えなければ→(お)差し支えなければ、お教えくださいませんか。
(頼む)
すみませんが→すみませんが、席を譲っていただけませんか。
恐れ入りますが→恐れ入りますが、伝言をお願いできますでしょうか。
恐縮ですが→恐縮ですが、ご連絡いただけませんでしょうか。
お手数ですが→お手数ですが、ご確認いただけませんでしょうか。
お手数をおかけしますが→お手数をおかけしますが、資料を1部送っていただけまか?
お忙しいところ申し訳ございませんが→お忙しいところ申し訳ございませんが、よろしくお願いいたします。
(断る)
あいにくですが→あいにくですが、持ち合わせがございません。
残念ですが→残念ですが、今回は見送らせていただきます。
せっかくですが→せっかくですが、ご辞退申し上げます。
申し訳ございませんが→申し訳ございませんが、ご要望に添いかねます。

●いかがでしたか?クッション言葉は電話に出た時だけではなくオフィスでもとても役に立つ表現なので、みなさんぜひ使ってみて下さい。

放送で気になる言葉

放送で気になる言葉

×眉をしかめる
◯顔をしかめる

「しかめる」は、顔や額のしわを寄せて、不満、不機嫌を表す表情を作ることです。
眉は「しかめる」ものではありません。
嫌悪感などの感情を表す「眉をひそめる」と混同した誤りだと思われます。

×取り付く暇がない
◯取り付く島がない

「取り付く島がない」は、船で海へ出たが立ち寄る島もなくどうしたらいいのか分からなくなることから転じて、「途方に暮れる」を意味します。
「取り付く暇がない」は単純に「島」と「暇」の誤りだと思われます。

×舌の先の乾かぬうちに
◯舌の根の乾かぬうちに

前に言ったことを忘れもしないうちに違うことを言うのは、「舌の根の乾かぬうちに」です。
「舌の先」ではありません。

×青田刈り
◯青田買い

「青田買い」は、その年の稲の収穫量を見越して先買いすることを意味します。
転じて、企業が新入社員の採用で学校を卒業する前の早い段階から内定を出し、社員契約を結ぶことを指します。
「青田刈り」と言えば、戦国時代に相手の城の周りの稲を青いうちに刈り取ってしまい、収穫が少なくなるようにする作戦のことですので、「青田買い」の意味で使うと意味が異なり誤りです。

×熱にうなされる
◯熱に浮かされる

「熱に浮かされる」という言葉は「病気で高熱のためにうわごとを言う」という意味を持ちます。
言葉の音としては近いですが、「熱にうなされる」という言い方は誤りです。
「うなされる」は「悪夢などを見て思わず苦しそうな声を出す」という意味ですので、これを使うのであれば「熱が出てうなされる」または「熱でうなされる」というような言い方が適切です。

×寸暇を惜しまず
◯寸暇を惜しんで

「寸暇(すんか)」つまりちょっとした時間を惜しんで何かに打ち込む、という意味ですので、「寸暇を惜しんで」が正しい使い方です。
「寸暇を惜しまず」は、「苦労を嫌がらずに一生懸命にやる」という意味の「骨身(ほねみ)を惜しまず」と混同していると思われる誤りです。

×ハッカー
◯クラッカー

企業や国のパソコンに侵入して悪事を行う人を「ハッカー」と呼ぶことがありますが、これは誤りです。
本来「ハッカー」は、コンピュータや電気回路などに常人より詳しい技術的知識を持つ人を指し、「その技術を使って悪さをする」という意味はありません。
こうした悪事を行う人は「クラッカー」と呼ぶのが適切です。

×二の舞を踏む
◯二の舞を演じる

「二の舞」は、舞楽(ぶがく)で、「案摩(あま)」という踊りを他の人が踊ったのを見た後にそれを真似して、しっかりと踊れず失敗した様子を面白おかしく踊るものです。
踊りは「踏む」のではなく「演じる」物なので「二の舞を演じる」が正解です。
「二の舞を踏む」は、尻込みすることを意味する「二の足を踏む」と混同していると思われる誤りです。

×濡れ手で泡
◯濡れ手で粟

「粟」はイネ科の穀物。
濡れた手で粟をつかもうとすると、たくさんの粟の粒がついてくることから、苦労せずに利益を得ることを意味します。
「泡」は「粟」の書き間違いです。

×汚名挽回 
◯汚名返上

「挽回」とは「もとの状態に戻すこと」。
そのため、「挽回」を使うのであれば「名誉挽回」が正解です。
不名誉な評判を取り払う、と言いたいのであれば、「汚名返上」や、「汚名を雪ぐ(すすぐ)」という言い方をします。

×そうは問屋が許さない
〇そうは問屋が卸さない

「そうは問屋が卸さない」が本来で、この言葉は客に値切られた時の店側のセリフ。
「そんな値段では問屋が売ってくれない」(だからそんなにまけられない)というわけ

×飛ぶ鳥あとを濁さず
〇立つ鳥あとを濁さず

伝統的な慣用句は「立つ鳥あとを濁さず」。慣用句は決まり文句だから勝手に言葉をかえると混乱する。

気のおけない人

「遠慮・きがねのいらない人」が本来の意味、それが全く逆の「気が許せない」油断できないの意味に使われている。
娘 「うちの課長、気がおけない人なの」
父 「それは良かったね「」
娘 「?」
放送では本来の意味で使う事。

住めば都

言うまでもなく「住み慣れれれば、どんな土地でも住み心地が良くなる」という意味だが
「住むなら都会が良い」という若者が多いそうだ。

×おいしく頂けます
〇おいしく召し上がれます

「頂く」は「食べる」の謙譲語。視聴者に向かって視聴者が「食べる」場合を想定して言うのなら尊敬語の「召し上がる」を使うのが正しい。ただし局の人が自分が食べる行為を言うのなら「頂く」でよい。

おもしろい

 おもしろい話、おもしろい映画など滑稽さや、おかしいことを表すこの言葉は、次のような話から生まれた。
 昔、同じ部族の人たちが、火を囲んで座り、物語に打ち興じたり、手仕事をしたりして過ごしていました。その中の一人が人の注意を引くような話をすると、皆が一斉に顔を上げます。するとその顔(面)が燃える火に照らされ、真っ白に浮かび上がりました。この真っ白い顔が並んでいる、和やかな状態を「おもしろい」という形容詞で呼ぶようになった。
 

×元旦の朝・元旦の夜
〇元日の朝・元日の夜

「元旦の夜は歌謡曲でお楽しみください」
つい使ってしまう表現だ。「旦」は朝の意味。従って「元旦の夜」は矛盾、元旦の朝は重複。

×的を得る
〇的を射る

「要点をつかむ」「急所をつく」の意味で「的を得た発言」「的を得た批評」などという。しかし慣用句としては「的を射た」が正しい。「的を得た」は当を得た」との混同が原因かも痴れない。

×食べれるのも…のおかげです
〇食べられるのも…のおかげです

「ら抜き言葉です」
(上一段)着れる、見れる、生きれる、起きれる、降りれる
(下一段)出れる、受けれる、食べれる、集めれる、調べれる

▲とんでもありません。とんでもございません
〇とんでもないことです、とんでもないことでございます

 現在では、「とんでもありません、とんでもございません」が挨拶語として定着しているので、一概に誤用として退けるわけにはいけません。
しかし一方で「とんでもない」の「ない」は「せわしない」などの「ない」と同じで、形容詞をつくる語尾であって、否定の助動詞の「ない」とは異なるものであるから、「とんでもありません」とんでもございません」と言い換えるのは間違いであるという意見も依然として強いので、乱用、安易な使用は避けたいものです。

▲子供にお小遣いを毎月千円あげている
〇子供にお小遣いを毎月千円与えている
▲犬に餌をあげる
〇犬に餌をやる
▲植木に水をあげる
〇植木に水をやる

 「あげる」は本来は謙譲の表現ですから動物とか自分の子供などに対して「あげる」を使うのはおかしい。「…をやる」「…を与える」など、それぞれの場面に適した表現を工夫。しかし今では「あげる」は謙譲語の意識はなくなり、丁寧語として使われているのが実情だ。ある調査では「花に水をあげる」を言葉の乱れ」と思う人は15.7%。この言い方をしても構わないと思うが52.2%、正しい言い方だと思うが14.6%となっている。

しおどき(潮時)

×手遅れ、もう手の打ちようがない退け時ではなく 
○最も適した時間、時を指す

びみょう(微妙)

×悪くもないが良くもないと思われがちが
○何とも言えない味わいや美しさがあり趣深いこと

なし崩しに

×適当に物事を済ませていく
○少しづつ順番に物事を済ませていく

情けは人のためならず

×情けをかけてしまったらその人のためにならない
○情けは結局自分のためになる

琴線に触れる

×怒りを買う
○感動する。感銘を受ける

煮詰まる

×行き詰まる
○結論がだせそう

役不足

×能力がない
○役者に対して、役の方が不足している
例え…幼稚園のお遊戯会にプロの俳優が本気で参加するなど

失笑

×子馬鹿にして笑う
○笑いを堪え切れなかった

鳴かず飛ばず

×何の活躍もしないでいること
○将来の活躍に備えて行いを控え,機会を待っていること。